WILD UD通信 「9月定例会の様子」

「みんなで 笑顔溢れる 学級創り」                  ~その極意2 気になる子とその周りの子に注目~

 

 9月のUD湘南定例会は、UD全国大会で提案するポスターセッションの内容について話し合いをしました。

 テーマは、「みんなで笑顔溢れる学級創り~気になる子とその周りの子どもに注目~」です。

 

 

 

○最近の子ども達の傾向から

 

 ①自分だけ大切にされたい傾向

 

 ②自分に敏感で、相手に鈍い傾向

 

 ③楽しいこと、楽なことに流れる傾向

 

 ④気持ちを切り替えることが苦手な傾向

 

 

 

 これまでは、①~④のような「気になる子」だけに注目していることが多かったのではないか。しかし、これからは、「気になる子」だけでなく、その「周りにいる子ども」も気にしなければならない時代になっている。

 

 例えば、教室を抜け出してしまったA君が、養護教諭等と話をし、気持ちを落ち着かせて教室に戻った際に、教室にいた他の子がA君に一言……

 

B…おい、A!いいのかよ!お前らしくないぞ!⇒陰でコントロールするタイプ

 

C…そうだよ!Aらしくないじゃん!⇒わざと刺激するタイプ

 

D…そうだ!そうだ!⇒トラブルを楽しむタイプ

 

というように、周りにいる子気になる子に影響を与えることも多い。

 

※詳しくは、「通常学級のユニバーサルデザイン プラン0」で

 

 

 

そこで、「気になる子」から「気になる子」とその「周りにいる子」に、少し視野を広げて、少し見方を変えて、少し「しかけ」をしてみて……、笑顔溢れる学級創りについて考えてみました。

 

 

 

○笑顔が溢れるためのポイント

 

温かい雰囲気づくり…つながり・結びつきのあるクラス

 

★肯定感を高める…自己肯定感・集団肯定感

 

 

 

○温かい雰囲気づくり・集団肯定感を高めるための三化条

 

☆その1「チクッと心」を「ふわっと心」化

 

☆その2 みんなの成長を見える化

 

☆その3 ゴールの共有化

 

 

 

○その1「チクッと心」を「ふわっと心」化

 

①教師が意図的にしかけた活動で

 

いつ、どこでもできるシンプルな活動(例 タッチ挨拶、どうもどうも挨拶、褒め合いタイム、後だしじゃんけん) →「楽しい」「できる」「~たい(鯛)」をしかける

 

②日常生活の言葉

 

 「チクッと言葉」を「ふわっと言葉」化

 

 「思考は言葉になり、言葉は行動になり、行動は習慣になる」というように、言葉がもつ力は大きい。日常生活の中の些細な一言でも、聞き逃さず、変換させていくことで、学級の雰囲気も変わっていくのではないか。

 

 

 

☆その2 みんなの成長を見える化

 

①ご褒美シール作戦

 

・「褒められたい」から「そうありたい」へ。

 

・がんばりが形になって残る。

 

・渡し方もポイント!(具体的に褒めてからや、「どうしてもらえると思う?」と考えさせる等)

 

 

 

②学級通信

 

・成長をクラスで共有化

 

・保護者の方とも共有化

 

・言葉として成長が残る

 

 

 

③はなまるタイム

 

・クラスで共通の目標をもち、みんなで達成する。達成できたら………ごほうびのはなまるタイム!

 

 

 

☆その3 ゴールの共有化

 

・お話の図「はじめ」「きっかけ」「おわり」を学級の1年間で考える

 

「はじめ」  4月に出会ったときの子ども達の実態

 

「きっかけ」 ・授業 ・休み時間 ・学校行事 ・クラス行事

 

「おわり」  笑顔溢れる子ども達

 

 

 

「きっかけ」でしかける!!

 

大縄大会に向けて…こっそり視覚化、こっそり共有化、焦点化した指摘、時間の確保

 

音楽朝会に向けて…前の行事をいかして

 

 

 

さいごに…

 

○温かい学級づくり・集団肯定感を高める 笑顔で「参加(さんか)」 三化条

 

その① 「チクッと心」を「ふわっと心」化…焦点化(シンプルに)

 

その② みんなの成長を見える化…視覚化

 

その③ ゴールの共有化…共有化

 

学級づくりも「視覚化」「焦点化」「共有化」!!

 

 

 

※詳しくは、「通常学級のユニバーサルデザインプラン ZERO」

       編著 阿部 利彦先生(星槎大学准教授 UD湘南支部顧問)