みんなで笑顔溢れる学級創り№2 「ルールとマナーの合言葉化」

 みんなの笑顔が溢れ、楽しく集団生活を送るために必要になってくるのが「ルールとマナー」です。しかしながら、「ルールとマナー」という抽象概念を理解することは、どんな子どもたちにとっても、非常に難しいことです。

 

 ところが、ルールやマナーを「だれもがわかる言葉化」=「合言葉化」することで子どもたちは自ら考えて行動する集団へと変化します。

 

 そのことについて、今回は、マナーの中でもどの学校でも大切にしている「挨拶」を例に合言葉化する授業のご紹介を通し一緒に考えていくことができればと思います。


   学級活動の時間の実践  「あいさつって何?」

 この図は、右から時間軸に沿って発問を示したものです。

 まずはじめに「ねえ、あいさつって何?ときかれたら何と答えますか?」と子どもたちに訊いています。この発問は、この学習の最後にも行います。同じ発問を最初と最後にすることで、一時間で何がわかったのか明確になるからです。

 

 一つ目の発問に対する子どもたちの反応は「おはようございます」「こんにちは」「いってきます」時には「ありがとう」など、具体な挨拶の言葉が返ってくることが多いです。

 ルールやマナーを学習するうえで大切なことは、「なぜそれが大切なのか」ということを子どもが理解できることだと考え、次のような展開をしました。この授業では、子どもたちの中から出た「おはようございます」という挨拶を例にしています。

 

 2つ目の発問は、「あいさつ って実は、すごく長い文章が省略されて短くなったものなんだよ。本当はどんな言葉だったかわかる?」と言って、黒板に書いたものです。穴埋め問題にすることで、何を考えればよいのか焦点化されます。ペアやグループで考えることでさらに考える意欲が高まります。

 

 3つ目の発問は、ルールやマナーはいったい誰のために存在しているのかを明確にするためのものです。自分のためなのか。相手のためなのか。それともお互いのためなのか。それを考えるための発問です。

 

 この授業で子どもたちと挨拶について次のような言葉で合言葉化しました。「あいさつは、人を幸せにする魔法の言葉」

 あいさつは、自分や相手を笑顔にするために行うものであり、ただやればよいというものではないといういうのがこの授業での結論でした。

 

 合言葉化したことが本当か確かめることも大切です。学んだことは体験することで実感としてより定着していきます。クラス全員であいさつタイムをとり、「あいさつが人を幸せにする魔法の言葉」であるとということは正しいのか検証し、感想交流をして学習を終えました。

 

   学習後・・・。

実際に、毎年「あいさつ」の学習を4月の学級活動の時間に行っています。緊張感もある時期でありながら、笑顔であいさつをしてくれる子どもたちへと変化していきます。もちろん、前述しましたが、一ヶ月ほどすると「あいさつ」を取り組む姿勢に、ばらつきが出てきます。そんな時、「今日は何人の人を幸せにできたかな?」と子どもにたちに言葉を投げかけると、何の話だ?と考え始めます。「ねえ、あいさつって何だけ?」とさらに言葉をつなげると、「あ、そうか。」とハッとし、意識も再び高まります。

 

今、私の学校の玄関には「あいさつは人を幸せにする魔法の言葉」と書かれた紙の大団幕が貼られています。昨年度の私の学級の子どもたちが、児童会の合言葉として提案したようです。その後、全校投票でこの言葉を一年間みんなで大切にするスローガンにすることに決まりました。

すごくあいさつに溢れた学校!とまではいきませんが、笑顔で登校し笑顔で帰っていく子どもの姿が増えたのは事実です。

 

   ルールやマナーを合言葉化することで

 

 「ルールやマナー」を指導する際、どうしても行動面のみに意識がいってしまいがちです。例えば「型」を教えるような。これは、何をどうのようにすればよいのかわからない個に対する手立てとしては有効だと思います。しかし集団となると時と場合により変化させる柔軟性も求められます。

 

 何をすればよいのかだけでなく、「なぜそれをするのか」「なぜ大切なのか」という「ルールやマナー」自体の核の部分についても指導していく必要があります。「なぜ」について、「誰もがわかる言葉化=合言葉化」することで、クラス全員の取り組む意識が高まるからです。

 集団が同じ意識を持つことができると、一体感が生まれ、自然と大きなトラブルや問題は減ってきます。それどころか、その合言葉を使い問題が起きた時に、自分たちで話し合って解決しようとする姿も見られるようにもなります。(個人差や学年の差はありますが)

意識が高まることで集団としての行動が変化し始めます。しかしながら、全員がずっとルールやマナーを継続して意識していくことは難しいものです。教師や大人の声掛けが必要です。

もしその集団に「なぜ」が簡潔に合言葉の中に存在していれば、「ねえ、〇〇って何のために必要なの?」や「みんなの〇〇、それでいいのかな?」などと声を掛けるだけで子どもは、合言葉に戻り、自分たちの言動を振りかえることができます。

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コメント: 2
  • #1

    LUCKYマンボウ (火曜日, 20 10月 2015 18:04)

    挨拶についての合言葉で悩んでいます。
    助けてください~!

  • #2

    LUCKYマンボウ (火曜日, 20 10月 2015 18:08)

    最後に(つ)で終わる言葉がいいです!
    よろしくお願いします    _
    (⌒) ̄ ̄\)
    ヽ  /⌒ \
    |   ・ (・ヽ /⌒)
    |    ●)|/しU
    ヽ  ヽ_ノノ\/
    ( ̄`ー――イ__/_
    | \_ヽ/(⊂ニ⊃)
    /| // ̄ ̄)JU^U^ヘ
    \\_Lレ―-イ HONEY )
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