WILD・UD 始動!

UD湘南支部顧問 星槎大学 共生科学部 阿部 利彦

 

私は「特別でない特別支援教育」を目指して、これまで現場の先生方と一緒に支援を考えてきました。学びにつまずきがある子を支える教育とは、個別に特別なことをする前にまず、クラスの子どもたち全体にとって「より分かりやすい」授業を目指すこと(授業のユニバーサルデザイン化)、集中できる教室環境を工夫すること(教室環境のユニバーサルデザイン化)、子ども同士が「支え合う・学び合う」クラス環境を育てること(人的環境のユニバーサルデザイン化)という3つの柱が重要だと考えています。

 

そして、より多くの子どもたちが「ぼくにもできた、わたしにもわかった」と実感し、ワクワクしながら楽しく学べるような教育の場を作りたい、と願ってきました。学びにつまずきがある子がいきいき学べる場は、その周りにいる子どもたちをも支える、まさに共に生き共に育つ、「共生共育」のためのユニバーサルデザイン(以下UDと略します)だと考えます。

 

さらに言うと、上記の「教育における3つのUD」は、まさに支援の土台(ゼロ段階)だと考えます。もちろん、3つのUDだけでは支えきれない子も出てくるでしょう。そこで、さらに個別の、その子の特性に合った細やかな支援を検討する必要があると思います。

 

ではまず、UDによる学びの土台つくり、はどのように築いていったらいいのでしょうか。もちろん地域を超えて共通するエッセンスというものは存在すると思いますが、やはりその地域地域の特性を踏まえた「UD」のデザインを考える必要があると考えます。だからこそ授業のユニバーサルデザイン研究会には支部があり、「子どもたちに対する思い」は同じでも、支部ごとの持ち味を大事にしながら研究会を充実させていっているのだと、いくつかの支部にお招きいただいて実感しています。

 

では、今まさに立ち上がった湘南支部は、どのような方向性を目指そうとしているのでしょうか?それは、衝動性や多動傾向を持つ「ちょっとやんちゃな子どもたち」も巻き込めるような、そんなUDが出来ないだろうか、という視点から出発しています。

 

私たちの前にいる子どもたちは、集中時間が短い、あきっぽい、話の要点がつかめない、抽象的なことが理解できない、気持ちが不安定になりやすい、そんな特徴を持っています。

 

ご自身のクラスに「静かに話が聞けない」「指示が入りにくい」「勝手に行動する」、そんな子どもがいるという悩みをお持ちの先生方、ぜひ、やんちゃな子も想定したUD化、すなわちWILDUDを湘南支部の仲間たちと一緒に考えていきましょう!

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コメント: 1
  • #1

    塚田直樹 (火曜日, 03 9月 2013 20:51)

    ご活動にご期待申し上げます!